水槽の中央でふさふさとした茶色のポリプを伸ばしているのはミナミウミサボテンです。奄美大島と沖縄島周辺、インド洋で生息が確認されています。サボテンという名前がついていますが、石灰質の骨格を持たないサンゴのなかまです。
他のウミサボテンのなかまが、昼間は砂に潜って、夜になると大きく伸びてポリプを広げるのに対し、ミナミウミサボテンは夜間に縮んですっぽりと砂の中に潜ります。
ミナミウミサボテンは体の中に褐虫藻(かっちゅうそう)という植物プランクトンが共生(きょうせい)しており、それらが光合成で作った栄養分を利用して成長するためで、日中は太陽の光を浴びるために全身を砂から出しています。縮んだときは10㎝ほどですが、昼間は40㎝ほどまで伸びます。
かごしま水族館では2010年繁殖に成功し、日本動物園水族館協会から繁殖賞を受賞しました。