特別企画展特設ページ(深海生物図鑑)

ここでは展示中の深海生物はもちろんのこと、採集した様々な深海生物を写真と共に紹介します。


深海生物図鑑 生物一覧

エントランスの展示生物(赤枠は標本展示)

リュウグウツカイ

リュウグウノツカイ

ゾーン1の展示生物

タカアシガニ

タカアシガニ

オオホモラ

オオホモラ

トラザメ

トラザメ

イソギンチャクのなかま

イソギンチャクのなかま

ツブエゾイバラガニ

ツブエゾイバラガニ

サガミモガニ

サガミモガニ

ユメカサゴ

ユメカサゴ

ホネクイハナムシ

ホネクイハナムシ

ハリナガリンボウ

ハリナガリンボウ

ゾーン2の展示生物

ヒカリキンメダイ

ヒカリキンメダイ

メダイ

メダイ

ヌタウナギ

ヌタウナギ

ダイオウグソクムシ

ダイオウグソクムシ

アカサンゴ

アカサンゴ

アカトラギス

アカトラギス

アカムツ

アカムツ

オーストンフクロウニ

オーストンフクロウニ

オオグソクムシ

オオグソクムシ

トリノアシ

トリノアシ

ゾーン3の展示生物

センスガイ

センスガイ

サギフエ

サギフエ

ウミグモのなかま

ウミグモのなかま

セノテヅルモヅル

セノテヅルモヅル

ボウズウニ

ボウズウニ

イガグリガニ

イガグリガニ

コシオリエビのなかま

コシオリエビのなかま

ゾーン4の展示生物(赤枠は標本展示)

アカギンザメ

アカギンザメ

オキナエビ

オキナエビ

メンダコ

メンダコ

コワヌケフウリュウウオ

コワヌケフウリュウウオ

テングヒゲ

テングヒゲ

ハダカイワシ属の一種

ハダカイワシ属の一種

ゴマフイカ科の一種

ゴマフイカ科の一種

ヤリホシエソ

ヤリホシエソ

ヒメセンジュエビ

ヒメセンジュエビ

キホウボウ

キホウボウ

ウチワエビ

ウチワエビ

未展示の生物(黄枠は未展示)

ムツ

ムツ

ヒメアマエビ

ヒメアマエビ

ハチビキ

ハチビキ

ニホンヤモリザメ

ニホンヤモリザメ

アカザエビ

アカザエビ

アンコウ

アンコウ

ヒメ

ヒメ

ナミクダヒゲエビ

ナミクダヒゲエビ

ヒゲナガエビ

ヒゲナガエビ

トゲサケエビ

トゲサケエビ

アカエビ属の一種

アカエビ属の一種

アカグツ

アカグツ

ワヌケフウリュウウオ

ワヌケフウリュウウオ

リュウグウノツカイ Regalecus glesne

分類:
脊索動物門 条鰭綱
アカマンボウ目 リュウグウノツカイ科

展示エリア:
エントランス 標本展示

メモ:
 外洋の中深層にすみ、まれに沿岸に漂着したり定置網で捕獲されたりする。当館の調査では2015年5月20日と6月13日に南さつま市笠沙町の定置網で立て続けに捕獲された。最大全長5.5mになる。夜、月明かりに照らされて銀色に輝くからだと長く伸びた赤い背びれは、白い顔に赤い髪をもつ人魚のように見えるという。深海魚の代表格だが、まさに人魚のごとく、その生き様は幻のように謎に包まれたままである。

タカアシガニ Macrocheira kaempferi

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 クモガニ上科

展示エリア:
ゾーン1 深海の環境水槽(砂地)

メモ:
 世界最大のカニのなかま。脚を広げると最大で3 m以上に成長すると言われる。日本近海にのみ生息する日本固有種である。食用としても利用され、相模湾ではタカアシガニ専門のカニカゴ漁も行われている。食欲旺盛で丈夫であり、飼育も容易であるため多くの水族館で親しまれている。

オオホモラ Paromola japonica

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 ホモラ科

展示エリア:
ゾーン1 深海の環境水槽(砂地)

メモ:
 足を広げると50 cmほどになる大型のカニのなかま。生息水深80-360 m。多くのカニとは異なるからだのつくりをしており、一番後ろの脚(第4歩脚)は短く先が鉤状になっており、ものを“背負う”ことができる。擬態や防御のためと思われ、写真は水槽に同居するアカモミジヒトデを背負った個体。

トラザメ Scyliorhinus torazame

分類:
脊索動物門 軟骨魚綱
メジロザメ目 トラザメ科

展示エリア:
ゾーン1 深海の環境水槽(砂地)

メモ:
 底引き網漁や刺し網漁などでよく採れる小型のサメ。100 m以浅の浅海に多いが、300 mでも見つかっている。食用には利用されない。“トラ”という名前がつくが、性格はおとなしく、小型の甲殻類などを捕食する。飼育下でもイカなどの餌をよく食べ、飼いやすい。

ニホンヤモリザメ Galeus nipponensis

分類:
脊索動物門 軟骨魚綱
メジロザメ目 トラザメ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 底引き網漁などでよく採れる小型のサメ。生息水深約300-800 m。トラザメと比べてほっそりとした印象。卵生のサメで、一度に2個の卵を産む。採集後は元気なことが多いが、なかなか餌を食べない。一度餌付くとイカなどをよく食べる。

イソギンチャクのなかま Actiniaria sp.

分類:
刺胞動物門 花虫綱
イソギンチャク目

展示エリア:
ゾーン1 深海の環境水槽(砂地)、(鯨骨)

メモ:
 イソギンチャクのなかまは深海にも生息している。その多くは種の同定に内部構造の観察を必要とすることから、外見から明らかにすることは難しい。深海性のイソギンチャクの多くはセトモノイソギンチャク科のなかまとされる。岩や鯨骨などの大きな固いもの、あるいは巻貝の殻にも付着する。砂地、鯨骨水槽を中心として複数種展示中。

ツブエゾイバラガニ Paralomis dofleini

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 タラバガニ科

展示エリア:
ゾーン1 深海の環境水槽(鯨骨)

メモ:
 名前に“カニ”とつくが、タラバガニ同様大きく分けるとヤドカリに近縁。名前の通り体表は粒状の突起に覆われる。全身が棘に覆われたイガグリガニと近いなかま。相模湾などではエゾイバラガニなどと同様普通に見られ、食用にされる。

サガミモガニ Gonipougettia sagamiensis

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 クモガニ上科

展示エリア:
ゾーン1 深海の環境水槽(鯨骨)

メモ:
 タカアシガニと同じクモガニのなかまだが、足を広げて10-15cmほど。生息水深50-400 m。相模湾、土佐湾などで普通に見られる。全身が赤く、背面にコブ状の突起がある。額のあたりに鉤状に曲がった毛が生えており、ゴミなどが付着しやすい。

ユメカサゴ Helicolenus hilgendorfii

分類:
脊索動物門 条鰭綱
カサゴ目 フサカサゴ科

展示エリア:
ゾーン1 深海の環境水槽(鯨骨)

メモ:
 水深200-500 mの砂泥底で普通に見られるカサゴのなかま。水圧変化に比較的強い。採集後も元気であることが多く、非常に飼育しやすい。食用としても水揚げされ、地方によっては高級魚として知られる。煮付け、刺身など様々な方法で食べられる。

ホネクイハナムシ Osedax japonicus

分類:
環形動物門 多毛綱
ケヤリムシ目 シボグリヌム科

展示エリア:
ゾーン1 鯨骨水槽(鯨骨)

メモ:
 骨を“食う”生きもの。口や消化管を欠き、骨の中に張る“根”から成分を直接的、あるいは根の中にすむバクテリアを通して間接的に栄養として吸収し、生きている。本種は鹿児島県野間岬沖に沈んだクジラの骨から発見されたが、近縁種はクジラの骨のみならず魚など他の生物の骨からも見つかっている。

ヒカリキンメダイ Anomalops katoptron

分類:
脊索動物門 条鰭綱
キンメダイ目 ヒカリキンメダイ科

展示エリア:
ゾーン2 光る深海生物水槽

メモ:
 眼下のくぼみに大型の発光器があり、強い光を発する。光は発光器に共生している発光バクテリアによるもので、発光器を反転させることによって光を明滅させることができる。光の明滅により個体間でコミュニケーションを取り合うと考えられている。

メダイ Hyperoglyphe japonica

分類:
脊索動物門 条鰭綱
スズキ目 イボダイ科

展示エリア:
ゾーン2 大きな目の深海生物水槽

メモ:
 全長90 cmまで成長する大型魚で、北海道以南の太平洋側、東シナ海に生息する。幼魚は表層に漂う流れ藻にすむが、成魚になると水深200~500 mの底層に移りすむ。体は粘液で覆われおり、水槽の壁などでこすってしまうと粘液がはがれてしまう。とてもデリケートな魚である。

ヌタウナギ Eptatretus burgeri

分類:
脊索動物門 ヌタウナギ綱
ヌタウナギ目 ヌタウナギ科

展示エリア:
ゾーン2 盲目の深海生物水槽

メモ:
 円口類と呼ばれるなかまに属し、顎を持たない魚。顎だけでなく背骨や目も痕跡的であるなど、魚を始めとする多くの脊椎動物と異なる特徴をもっており、ヌタウナギのなかまは脊椎動物の原始的なグループと考えられている。海底に沈んだ生きものの死骸などを食べるスカベンジャーとして知られる。

ダイオウグソクムシ Bathynomus giganteus

分類:
節足動物門 軟甲綱
等脚目 スナホリムシ科

展示エリア:
ゾーン2 巨大な深海生物水槽

メモ:
 世界屈指の大きさを誇る“ダンゴムシ”のなかま。メキシコ湾からブラジル沖にかけて生息する。大型のグソクムシのなかまは世界で20種弱知られており、その約半数がダイオウグソクムシのように非常に大型になる種である。“エサを食べない”ことで人気になり、深海生物の代名詞として親しまれている。かごしま水族館の個体は12月現在で8ヶ月絶食中。

アカサンゴ Paracorallium japonicum

分類:
刺胞動物門 花虫綱
ウミトサカ目 サンゴ科

展示エリア:
ゾーン2 成長の遅い深海生物水槽

メモ:
 宝石サンゴの一種であり、高値で取引される。潮の流れに乗って流れてくるプランクトンなどを食べるため、ふだんは枝からたくさんの白い触手を伸ばしている。浅海の造礁サンゴとは全く異なり、光合成を行わず深海でゆっくりと成長しながら緻密な骨格をつくっていく。

ハチビキ Erythrocles schlegelii

分類:
脊索動物門 条鰭綱
スズキ目 ハチビキ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 全長40~60 cmまで成長する魚で、南日本、朝鮮半島南部、南アフリカの水深100~400 m前後の岩礁域に生息する。体長20 cmを超える個体では、尾柄部に隆起線がある。日本では食用とされているが、脂肪分が少なくピンク色の身は独特の風味がある。

アカトラギス Parapercis aurantiaca

分類:
脊索動物門 条鰭綱
スズキ目 トラギス科

展示エリア:
ゾーン2 赤い深海生物水槽

メモ:
 全長17cmまで成長する魚で、南日本以南から台湾の水深50~150mの砂泥底に生息する。餌は砂に隠れた小型の甲殻類やゴカイ類である。体の背側は紅色で、7本の幅広い黄色い横帯がある。この魚はねり製品の材料として利用される。

アカムツ Doederleinia bericiodes

分類:
脊索動物門 条鰭綱
スズキ目 ホタルジャコ科

展示エリア:
ゾーン2 赤い深海生物水槽

メモ:
 全長25cmまで成長する魚で、関東及び新潟以南、西太平洋、東部インド洋の水深100-300mの水深に生息する。口の中は黒く、鱗はとてもはがれやすい。一部の地域では「ノドグロ」と呼ばれており、高級魚として知られている。

アカザエビ Metanephrops japonicus

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 アカザエビ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 相模湾や東京湾では高級食材であるアカザエビを専門に獲る深海漁が行われている。アカザエビはザリガニのなかまではさみが大きく、よく歩き回る。飼育下でもアジやアサリなどなんでもよく食べ、飼育は比較的容易である。鹿児島でも捕獲されますが多くはなく、漁業者の間で消費されているようである。

オーストンフクロウニ Araesoma owstoni

分類:
有棘動物門 ウニ綱
フクロウニ目 フクロウニ科

展示エリア:
ゾーン2 やわらかい深海生物水槽

メモ:
 水深30~200mの海域に生息するウニで、大きさは25cmほどである。磯や岩場でみられる体が硬いウニとは異なり、皮のようにブヨブヨした体をしている。そのため、水から出すと体が平べったく変形する。体にある「棘」には毒があり、刺されると幹部が激しく痛む。

ヒメ Aulopus japonica

分類:
脊索動物門 条鰭綱
ヒメ目 ヒメ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 全長20cmまで成長する魚で日本各地、フィリピンの水深25~200mの砂泥底に生息する。背びれは長く、脂びれがあることが特徴。海底ではじっとしている時間が多く、腹尾びれで体を支えている。

アンコウ Lophiomus setigerus

分類:
脊索動物門 条鰭綱
アンコウ目 アンコウ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 全長70cmまで成長する魚で、北海道以南、東シナ海、インド、西太平洋の水深30~500mの砂泥底に生息する。体は縦へん形で、頭部にアンテナ状の突起がある。普段は砂の中に潜りじっとしているが、餌が近づくと、頭部の突起を動かし餌を引き寄せて捕獲する。食用で、高級魚として知られる。

オオグソクムシ Bathynomus doederleini

分類:
節足動物門 軟甲綱
等脚目 スナホリムシ科

展示エリア:
ゾーン2 動かない深海生物水槽

メモ:
 全長12 cmまで成長する日本最大の頭足類である。福島県以南から台湾の太平洋沿岸の水深150~1000 mまでの深海に生息する。深海では生物の死骸などを食べているため、「海の掃除屋」と呼ばれている。普段はじっとしていて動かないが、餌が落ちてくるとブラインドカーテンのような腹肢を上下に動かして泳ぎだす。

トリノアシ Metacrinus rotundus

分類:
棘皮動物門 ウミユリ綱
ゴカクウミユリ目 ゴカクウミユリ科

展示エリア:
ゾーン2 古代の深海生物水槽

メモ:
 ウニやヒトデなどと同じ棘皮動物に属する。ウミユリ類はこのグループの中では最も原始的ななかまで、約5億年前に出現し、浅い海で繁栄したが、のちにその多くが絶滅し、現在では深海に少数が残るのみである。上部にある“花びら”部分で小さなえさを絡め取って摂餌する。

キホウボウ Peristedion orientale

分類:
脊索動物門 条鰭綱
スズキ目 キホウボウ科

展示エリア:
ゾーン4 標本展示

メモ:
 底曳網漁などで多数混獲されるが、船に上がる頃には浮いており、状態よく生かすのは難しい。ふだんは砂地の海底でじっとしているが、口の前にあるひげでえさのにおいを感知しながら小動物を捕食する。胸びれは丸く、派手な模様はなく、ホウボウの胸びれのようなフラッシング効果はない。

サギフエ Macroramphosus scolopax

分類:
脊索動物門 条鰭綱
トゲウオ目 サギフエ科

展示エリア:
ゾーン3 奇妙な形の深海生物水槽

メモ:
 全長18cmまで成長する魚で、本州中部以南(琉球列島を除く)、インド、西太平洋域の水深15~150の砂泥地に生息する。普段はやや斜めに倒立しているが、移動するときは水平に泳ぐ。また餌を食べる時は体を水平にし、管状の口で吸いこんで食べる。

ウミグモのなかま Pantopoda sp.

分類:
ウミグモ綱 皆脚目

展示エリア:
ゾーン3 奇妙な形の深海生物水槽

メモ:
 節足動物で、脚が8本あることから“ウミグモ”と呼ばれるがクモのなかまではない。浅海性のウミグモにはアサリの殻内に寄生するものなどがいるが、深海性のものは単独生活で体が大型化する傾向がある。胴体部分が小さいため、内臓が脚にも入りこんでいる。頭のように見えるのは吻で、イソギンチャクや貝を吸い付くようにして食べる。呼吸器官をもっておらず、体の表面から酸素を吸収している。

セノテヅルモヅル Astrocladus coniferus

分類:
棘皮動物門 クモヒトデ綱
カワクモヒトデ目 テヅルモヅル科

展示エリア:
ゾーン3 奇妙な形の深海生物水槽

メモ:
 クモヒトデのなかまであるが、腕は何十回も分岐し、全体として藻屑のように見える。名前の由来もその姿から手蔓藻蔓の字を当てているもの。岩場などに生息し、腕を広げて流れてくる懸濁物をキャッチし、口へと運んでいく。このなかまにはベビーシッティング行動が知られており、幼若個体は成体の体(とくに口の周り)につかまって身を守るとともに成体が食べるえさを分けてもらっている。

ボウズウニ Stereocidaris japonica

分類:
棘皮動物門 ウニ綱
オウサマウニ目 オウサマウニ科

展示エリア:
ゾーン3 奇妙な形の深海生物水槽

メモ:
 現生するウニ類の中では最も原始的なオウサマウニのなかまで、近い種類が約3億年前の地層から化石で見つかっている。オウサマウニのなかまには深海性の種類が多い。上部にトゲがないことが名前の由来。横向きのトゲの配列は不規則。

イガグリガニ Paralomis hystrix

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 タラバガニ科

展示エリア:
ゾーン3 奇妙な形の深海生物水槽

メモ:
 先まで鋭くとがったトゲが全身をおおい、持つ時に手に刺さることもある。深海でも外敵から身を守るのに役立っていると考えられる。トゲの中は先端まで身がつまっている。ヤドカリのなかまで外見上脚は8本しかない。甲羅の下に小さな2本の脚が収納されている。

コシオリエビのなかま Munida sp.

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 コシオリエビ科

展示エリア:
ゾーン3 奇妙な形の深海生物水槽

メモ:
 名前に「エビ」とつきカニのような大型のハサミ脚をもつが、ヤドカリのなかま。尾部を体の下に折りこむようにしているのが名前の由来。底生生物や動物の死骸などを食べると考えられており、何でもハサミ脚でつまんでよく食べる。

アカギンザメ Hydrolagus mitsukurii

分類:
脊索動物門 軟骨綱
ギンザメ目 ギンザメ科

展示エリア:
ゾーン4 標本展示

メモ:
 鹿児島にはギンザメが数多く生息するが、本種は当館の調査で一度しか採れたことがない。ギンザメに比べ側線が波打たず、尾が長いのが特徴。ギンザメ類は大きな胸びれで羽ばたくようにして泳ぐ。尾びれがないために俊敏な動きはできない。背びれの棘には毒があるとされている。

オキナエビ Nephropsis stewarti

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 アカザエビ科

展示エリア:
ゾーン4 標本展示

メモ:
 全身は毛で覆われ、手触りはふさふさしている。眼は退化しており、非常に小さい。漁獲量は少なく、当館の調査では1個体のみ確認している。あまり獲れないためにほとんど情報がなく、その生態は不明な点が多い。

メンダコ Opisthoteuthis depressa

分類:
軟体動物門 頭足綱
八腕形目 メンダコ科

展示エリア:
ゾーン4 標本展示

メモ:
 底曳網漁でたまに混獲される。体は柔らかく、傷つきやすいために長期飼育が難しい。マダコのように頭部と腕部がわかれておらず一続きになっており、腕は短い。耳のように見える部分はひれで、ときおり羽ばたくようにして宙に浮きあがる。

コワヌケフウリュウウオ Malthopsis annulifera

分類:
脊索動物門 条鰭綱
アンコウ目 アカグツ科

展示エリア:
ゾーン4 標本展示

メモ:
 底曳網漁でたまに混獲される。アンコウに近いなかまで、海底にじっとしており、泳ぐのはうまくない。胸びれと腹びれを使ってゆっくりと海底を歩き、小型生物を捕食する。飼育下では餌付けが難しい。

テングヒゲ Caelorinchus productus

分類:
脊索動物門 軟骨綱
タラ目 ソコダラ科

展示エリア:
ゾーン4 標本展示

メモ:
 鹿児島では深海漁で十数種のソコダラのなかまが混獲されているが、船に上がる頃には浮袋が膨張しており、生きていることはほとんどない。ふだんは海底付近をゆっくりと遊泳している。

ハダカイワシ属の一種 Diaphus sp.

分類:
脊索動物門 軟骨綱
ハダカイワシ目 ハダカイワシ科

展示エリア:
ゾーン4 標本展示

メモ:
 うろこが取れやすく、裸に見えることが名前の由来。体の各所にある黒い点は全て発光器。夜間、浅場に浮上し、日中は深海で生活する鉛直移動を行う。魚食性の深海生物の重要な餌資源となっている。

ゴマフイカ科の一種 Histioteuthidae sp.

分類:
軟体動物門 頭足綱
ツツイカ目 ゴマフイカ科

展示エリア:
ゾーン4 標本展示

メモ:
 深海性のイカで、全身にゴマ粒状の発光器が多数散らばる。底曳網漁でときどき捕獲されるが、生きていることはない。左右で眼の大きさが違い、中層で漂いながら上下をみわけているようである。

ヤリホシエソ Leptostomias multifilis

分類:
脊索動物門 軟骨綱
ワニトカゲギス目 ホテイエソ科

展示エリア:
ゾーン4 標本展示

メモ:
 深海の中層を漂いながら餌を探す。大きな口と鋭い歯をもち、下あごから伸びたヒゲの先にある発光器で獲物をおびき寄せ、近づいてきたところをしとめる。体表が弱く、網でとるとすぐに擦り傷ができてしまう。

ヒメセンジュエビ Stereomastis nana

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 センジュエビ科

展示エリア:
ゾーン4 標本展示

メモ:
 全ての胸脚にはさみがあり、これが千手観音を思わせることが名前の由来。第1胸脚は非常に長く、一度後方に向かい、その後前方に向かって伸びる。センジュエビのなかまは世界から十数種が知られるが、不明な点が多い。

ウチワエビ Ibacus ciliates

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 セミエビ科

展示エリア:
ゾーン4 深海漁水槽

メモ:
 全体が平たく、お面のような形をしたエビ。深海の砂泥底に体を半分うずめるようにしてくらしている。鹿児島ではパッチンエビと呼ばれ、高値で取引される。あまり動くことはないが、驚くと尾部を上下に振りながら後方へ泳いで逃げる。

ムツ Scombrops boops

分類:
脊索動物門 条鰭綱
スズキ目 ムツ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 歯がとても鋭く、触れると人間の手も簡単に切れてしまう。ふだんは中層をゆっくりと泳ぐが、獲物を見つけると急発進して食らいつくハンター。幼魚は浅海性で沿岸でも見られることがあるが、鱗がはがれやすいため採集の際には注意を要する。クロムツとも呼ばれる。

ハリナガリンボウ Guildfordia yoka

分類:
軟体動物門 腹足綱
古腹足上目 サザエ/リュウテン科

展示エリア:
ゾーン1 深海の環境水槽(砂地)

メモ:
 殻高の低い巻貝のなかまで、周縁には長いトゲがついている。深海の砂底に生息し、底曳網漁などで混獲される。トゲの短いリンボウガイという近縁種がいるが、本種よりもやや浅い海底に生息する。学名は九州で多獲されることから、九州弁の「よか(=良い)」から付けられている。

センスガイ Flabellum distinctum

分類:
刺胞動物門 花虫綱
イシサンゴ目 センスガイ科

展示エリア:
ゾーン3 奇妙な形の深海生物水槽

メモ:
 貝のなかまではなくサンゴのなかま。単体性で砂底に点在していると思われる。球をくし切りにしたような形をしており、生時はポリプが大きく膨らんで砂中に埋没するのを防いでいる。適度な水流を好み、開いたポリプはアミエビなどを丸ごと飲み込むことができる。

ヒメアマエビ Plesionika semilaevis

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 タラバエビ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 体長5-7 cmほどの小さなエビ。錦江湾内のトントコ漁(小型底曳き網漁)で多量に漁獲される。刺身、素揚げ、かき揚げなどにして食べる。近縁種に形の似たものが多く分類が混乱していたが、錦江湾での研究がもととなり、「ヒメアマエビ」という和名がつけられた。繊細な脚に加え非常に長い触角を持つため、完全な状態での採集は非常に難しい。また飼育も同様で、飼育期間は数週間に止まっている。

ナミクダヒゲエビ Solenocera melantho

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 クダヒゲエビ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 全長12-15 cmほどのやや大きめのエビ。鹿児島では主に錦江湾内のトントコ漁(小型底曳き網漁)で漁獲される。どのように食べても非常に美味しい。ナミクダヒゲエビを対象とした漁が行われているのは世界でも錦江湾のみ。海底の泥に潜り、第一触覚を“管”のように泥から出して呼吸をすることから“クダヒゲエビ”という名前がついている。他の深海クルマエビ類同様飼育が難しく、数週間の飼育に止まっている。

ヒゲナガエビ Haliporoides sibogae

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 クダヒゲエビ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 全長14 cm前後のやや大きめのエビ。鹿児島では「タカエビ」と呼ばれ、湾外の底引き網漁で漁獲される。高級エビとして知られ、刺身や唐揚げ、塩焼きなどととても美味しい。網あげされた状態ですでに弱っていることが多く、鹿児島周辺の深海で採集できるクルマエビ類の中でも特に飼育が難しい。

トゲサケエビ Parapenaeus lanceolatus

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 クルマエビ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 全長10cm前後のやや大きめのエビ。錦江湾内のトントコ漁(小型底曳き網漁)でとれる。トントコ漁でとれるサケエビ類はトゲサケエビの他にツルギサケエビが知られる。二種はとてもよく似ているが、生殖器の形で見分けることができる。

アカエビ属の一種 Metapenaeopsis sp.

分類:
節足動物門 軟甲綱
十脚目 クルマエビ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 全長12-15 cmほどのやや大きめのエビ。錦江湾内ではトントコ漁(小型底曳き網漁)でとれる。“シロ”エビという“アカ”エビのなかまで、トントコ漁でシロエビ、ミナミシロエビ、トントコシロエビがとれる。飼育は他のトントコ漁で採集されるクルマエビ類同様難しいが、比較的長期飼育できている。

アカグツ Halieutaea stellata

分類:
脊索動物門 条鰭綱
アンコウ目 アカグツ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 “アカグツ”という名前の通り、赤い靴のような外見が名前の由来。扁平な体で背側を中心にトゲがたくさん生えており、触るとチクチクと痛い。あしのような胸びれと腹びれで歩くように移動する。特徴的な形態で水族館の人気者だが、餌付きにくく飼育は非常に難しい。

ワヌケフウリュウウオ Malthopsis annulifera

分類:
脊索動物門 条鰭綱
アンコウ目 アカグツ科

展示エリア:
未展示

メモ:
 水深90-360 mに生息するフウリュウウオのなかま。背側の大きな丸い模様と目の間の尖ったツノが特徴的。ほかのアカグツ類同様飼育は非常に難しい。鹿児島では錦江湾内のトントコ漁で時々捕獲される。

主な参考文献

尼岡 邦夫 (2009) 深海魚‐暗黒街のモンスターたち‐. ブックマン社, 東京.

大富 潤 (2011) 食べる地魚図鑑. 南方新社, 鹿児島.

岡村 収・尼岡 邦夫 編 (1997) 日本の海水魚. 山と渓谷社, 東京.

奥谷 喬司 (2015) 新編 世界イカ類図鑑. 東海大学出版部, 神奈川.

鹿児島市水族館公社 (2008) ‐かごしま水族館が確認した‐鹿児島の定置網の魚たち. 鹿児島市水族館公社, 鹿児島.

中坊 徹次 (2013) 日本産魚類検索 全種の同定 第三版. 東海大学出版会, 神奈川.

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